眠りを撃退する
文化人類学的にみても、布団 羽毛での眠りを克服することが、価値ある行為だとされている例は多い。
オーストラリアの部族では、少年が成人式をうけるさい、三夜にわたって眠ってはならないことになっているらしい。
青森県の「ねぶた」あるいは「ねぷた」は、もともと睡魔をかたどったものであった。
睡魔退散を願う行事が、祭のかたちで伝えられたものだ。
ときには悪意から眠りをうばうことがある。
朝鮮戦争のさい、中国側に捕虜になった飛行士がうけた「洗脳」の方法は、断眠であった。
断眠による拷問は、江戸時代の犯罪人にも適用されたといわれる。
また、ヨーロッパの中世に流行した「不眠拷問」も、自白を強制するだけでなく、悪魔をおいはらうべき手段としてつかわれた。